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青い梟の輪郭

感じたことを括り直すための内的な語りや対話です。

【フィンランド滞在記13】 さよならイハラ

フィンランド

インカの新居の壁の塗り替え(自転車で20分ほぼ毎朝通って楽しかった)や道端に生えてるリンゴ狩り(あんたそれ人んちのよと近所のおばさんに言われる頃にはもう50個近く収穫済みだった)、加えて日々のあれやこれや(ニワトリの世話、グリーンハウスの水やり、皿洗い、掃除、洗濯、ハエ叩き、ハエ叩き、ハエ叩き)を手伝いながら、独りで暇な日は森に出かけたり、米炊き過ぎて食べ過ぎて吐きそうになったり、食材が尽きて今まで嫌っていた野菜の有り難みを知ったり、雨降りで寒くてホームシックになったり、独りじゃなくて暇な日は、ジョアキムに突然どこかに連れていかれたり、突然来た誰かの友達がキノコ料理を振舞おうとする中ジョアキムが何故かそれに張り合ってチョコレートブラウニーを作りだすも卵がなくてリキッドブラウニーになったり、ジョアキムの母親が突然マダガスカルの食材を持ってやって来たり、ディドリックに自分の音楽を聴いてもらったら書道のようだと誉めてくれてその上で有意義なアドバイスもらったり、ディドリックの姉がプロのバイオリニストでCDまで出してることを知って驚いたり、子どもたちのトランポリンに付き合って吐きそうになったり、子どもたちに追いかけ回されて吐きそうになったり、、、
そんなこんなで予測不可能だけど素直に楽しく過ごす今日この頃。

 

 
しかしながら、イハラは今月一杯で解散するわけで、僕は明日から別のステイ先に移動する。
まるでムーミンファミリーのような素晴らしいコミュニティだった。
とても寂しく思う。

という感動的なくだりで筆を進めていきたいものの、皆さんが続々と新居に移っていかれるのに伴って色々な物が消えていくので、さっさと新しい場所に行きたい気持ちがあるのもまた事実。

フライパンとトイレットペーパーのない家なんか住めるか!

 

昨日、淡々と旅立つ準備をしていたら、インカが笑顔でこう言った。
明日はあなたの最後の夜だからジャパニーズスペシャルデイね!

は?

あなたが祝いの会を主催するのよ!

は?

全部あなた次第よ!

は?


そんなわけで日本料理で皆さんをもてなすことになった。
考えた末、豚汁とおにぎりと我が実家の伝統料理、茄子の酢醤油漬けを作ることにした。


近くの町まで買い出しに出動。ティモが送ってくれた。
12時半に到着。迎えは15時半ということなのでそれまで独りで過ごすことに。
とりあえずカフェに入って昼食。その後、教会に行ってみるも、子どもたちがたむろってて(たぶんポケモンGO)近寄りがたかったので、洒落たお店に入ったりして時間を潰した。写真は撮り忘れたけど、結構良い物が買えた。

そしてスーパーで食材を購入。
サリー・ティモ夫妻は肉を食べないということなので鮭を買った。

インカと合流して、インカのオフィスを見せてもらって、帰宅。

よくよく考えたら鮭のさばき方とか知らないし、焦って色々検索、、、したけど面倒臭くなったので、勘でいいやと調理開始。
エスポーでユーゾに教わったことを思い出しながらフィンランドの野菜を切る。
小指の突き指も今となっては懐かしい。
鮭はとりあえず皮剥いで骨取って切った。

鍋で米を炊いて、おにぎりにした。

茄子の酢醤油漬けは実家ではここにはない甘酢と胡麻油を使っていただけに難航。

結果、
豚汁改め鮭の味噌汁 → 自分で言うのもなんだけど超美味しかった。好評。
おにぎり → 炊き加減に感心してもらえた。おにぎりは子どもたちに好評。
茄子 → 特別美味しくないけどサリーがやたら喜んで余りを持って帰っていった。

 

というわけで、まあ、上出来だったと思う。
にしても複数人をおもてなすのって大変すぎる。疲れた。

そして、プレゼントを渡した。
といってもジョアキムには数日前にすでに渡しちゃったりしたわけで。

 

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「アジアの木々と夢を取り除く世界最強の男、その名は除亜木夢。」

 


最も世話になった、イハラの創設者でもあるインカには、貼り絵を。

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「イハラの森の梟」


ジョアキムとインカには心底感謝しているので、伝わるといい。

貼り絵に関しては、小学生の頃、好き放題に絵を描いていたときのような気持ちで最後までただただ楽しく作業できた。この感覚ってとてつもなく大事で、イハラだったからこそ出来たことのように思う。


何よりジョアキムやインカは常にそういう風に生きているように見える。アイデアはとめどなく溢れていて、彼らはいつでもどこでもそれらを子供のように恐れることなく試しながら生きている。
もっとも、関係を持続させようとするときに、そういうあり方を貫くことが必ずしもよいこととは限らない。そうした自由なたくさんの声が行き交う場というのは発散する力が強く、生産的な反面、崩壊しやすい。事実、イハラは持続できなかった。

あくまで個人的な見解だけれど、イハラのように多声性が強調されるコミュニティは、日本ではあんまり見かけない。その代わりに、日本にはどうぞどうぞという"察し"と、じゃあお言葉に甘えてという"甘え"が強調されるコミュニティが多い。
こちらはどうぞどうぞに乗っかってればいいだけだから収束する力が強く、安定して持続しやすい反面、予測不可能性に乏しく、気が付けばガチガチに凝り固まってることがある。


つまらない話はさておき、とにかく明日から新たな場所へ行く。
ありがたいことに色んな選択肢があって、あれこれ迷った末、日本人シェフのツテさんの家に居候させてもらうことにした。(前にステさんと書いてたけどツテさんだった)
ロビーサは町で、こことは明らかに違う。
どんな暮らしが待っているのか、不安もあるけどとても楽しみだ。


イハラ編、おわり。