青い梟の輪郭

感じたことを括り直すための内的な語りや対話です。

【フィンランド滞在記4】 謎のカンファレンス編 ⑶

ヒッピー集団による謎のカンファレンスでの生活の続き(7日目と最終日)

 

 7日目

朝食後、女性陣から男性陣にプレゼントがあるからあなた達も来てくれと言われて、
今日はユーゾと一緒にプログラムの一部に参加した。

今からあなた達のストレスを解放するとか言って、
男性陣は1人ずつ、5人の女性に囲まれて全身を撫でられた。およそ10分間。
人の手で人を癒すみたいなことをしたかったんだろう。
とはいえそれほど怪しい儀式というわけでもなく(女性陣も何か確信があってやってるわけじゃなかったっぽい)、別に変なことされたわけでもなく、興味深い体験だった。

その後、長老の提案で、女性ひとりひとりに対して男性ひとりひとりがお礼を言っていくことになった。
これは僕にとっては無理難題だった。
インカとカドリと包帯や紙テープをくれたエリーナとアニータ以外は、名前さえ覚えてない。

それでも半分ほどの女性になんとかお礼を言い終えた後、
長老がおもむろに、時間かかるからここまででいいやとか言い出した。

ふざけんなよと思った。

 

そんで、全員で輪を作り、身を寄せ合って、「ひとりひとりが全員を感じるんだ!我々はひとつだ!」的なノリのことをやった。
おいおい、正気か?と思いつつもできるだけその場のノリに入って真面目に参加した。
結果的に感じたのはスピリチュアルなパワーではなく、小指の痛みだった。

 

さらにこの後、みんなで焚き火を囲むから、そこでバイオリン弾いてくれと頼まれ、
ユーゾのディズィリドゥと一緒に演奏することになった。
んじゃウォーミングアップしとくかと外に行ったら、女性がひとり、芝の上で寝ていた。
彼女は少し情緒不安定で、本人曰く、私の中にはいくつもの痛みがある、らしい。
で、あなた達の音楽は癒しになるから、私を囲むように弾いててくれとか言い出し、
仰向けで寝転がったままユーゾのディズィリドゥの先端を自らの腹の上に乗せ始めた。
ユーゾは躊躇わず吹く。
僕も合わせて弾く。

この凄まじくシュールな状況を、通りかかったエストニア人が写真で撮り始める。
シュールさが増す。
しばらくして新たに数人が集まり始め、皆その場で寝転がり眠り始める。
ユーゾと僕は曲とも言えないような曲を弾き続ける。
シュールを超える。

シュールを超えた僕たちはそのまま焚き火へと移行した。
大規模なキャンプファイヤーでもやるんだと思ってたら、
多くの方々は各々の寝床へ戻っていき、結果的に焚き火を囲んだのは6人だけだった。
とりあえず6人でセッションをして終了した。
気付けば12時を過ぎていた。

 

 

最終日

色々あったけど、フィンランドで暮らすという目的がある中で、エストニア人と共に居ながらフィンランドを見るということができたのは、よかった。
また何よりユーゾと出会えたのは大きい。
フィンランドに来て初めて出来た友達だ。
彼はヘルシンキに住んでるからたぶんまた会えるだろう。
宛てがあるって素晴らしい。

ユーゾをバス停まで見送った後、プログラムのエンディングが終わるまで待つことになった。
さり気なく参加しようとしたら、今からはメンバーだけの時間だからとか言われて追い出された。

一昨日あたりからけっこう寒い。
長袖のTシャツにパーカー羽織ってもまだ少し肌寒いぐらい。

寝泊まりしてた小屋は片付けてしまったので居場所がない。
寒いから散歩する感じでもない。
仕方がないのでキッチンでこれを書いてる。

そしたらディドリックが子ども(2歳の女の子)を連れて入ってきた。
ディドリックは、イハラのメンバーで、元指揮者でバイオリン歴25年のジェントルマンだ。
イハラに着いたときを含めて会うのはまだ3回目ぐらいだけど、
そのことばや振る舞いは自然体で優しさに溢れていて、一緒に居ると楽だ。


そして22時頃、ようやくイハラに戻ってきた。
スーツケースのある場所に戻ってこれてホッとした。

ジョアキムが、小指の包帯を見るや否や、ヤクザ?と言う。
いや、指詰めてねえわ。

今日は少し買い物もできたので(インカが1週間の仕事の報酬として買ってくれた)、
お菓子類を揃えてみた。あと醤油も。

というわけで、エスポーでの謎のカンファレンスは幕を閉じた。

f:id:yurulogue:20160708070347j:plain