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青い梟の輪郭

感じたことを括り直すための内的な語りや対話です。

【フィンランド滞在記3】 謎のカンファレンス編 ⑵

ヒッピー集団による謎のカンファレンスでの生活の続き(4~6日目)

 

 4日目

小屋みたいなとこで寝袋で寝るのも案外慣れるもんだ。小指は痛いけど。
やるべきことが定められたので、生活のリズムが出来た。
ランチの準備が10時、スナックの準備が3時、ディナーの準備が4時だ。
独特な野菜もあるが、基本的には普通にカッティングするだけで問題ない。

ところでヒッピー達の行動はたまに理解できない。
よく分からないタイミングで抱き合ってなぐさめたり励ましあったりしてる。

あとなんか長老みたいな人がいて、みんなの拠り所みたいになってる。
すれ違うと、腹を撫でてくる。
胃腸が弱いことをお見通しだとでもいうのか。
その手には乗らない。(どの手だ)

この真のプログラムの目的は一体何なんだろう。
思うに彼らは、「気」に作用しようとしてるんじゃないか。
おそらく長老はその術を長い時間かけて体得したのだろう。
でも日本人からしたらそんなもん特別なことじゃない。簡単なことだ。
私でもあなたでもなく、その間に流れてるこれを意識すればいいだけなんだから。
でも、私とあなたしか居ない世界で生きてきた彼らにはそれができない。
だから意図的に自分自身を高めるというやり方でもって、「気」になんとか作用しようとする。

僕が見たところ、見込みのあるのは3、4人だ。
なんて、何様だって話だ。
ていうか、そもそも本当に「気」に関係してるのかどうか知らない。


話は変わるが、夕食後に、料理をもうちょっと時間通りにやれないか、なんなら手伝いを増やすけど、とリーダー的な存在のカドリがユーゾに相談し始める。
穏やかなユーゾは困った顔をする。
僕はなんだか申し訳ない。
するとユーゾは僕を指し、彼で十分間に合ってるし、もう一人増えてもカオスになるだけだ、というようなことを言った。
ユーゾ、なんていい奴なんだ。
ていうかそんな相談してくるなら、食器を食洗機に入れてくれ!

 

5日目

気付けば5日目だ。

毎朝早い時間に同じ部屋で寝てるエストニア人の1人が突然叫び出すこと以外の大体のことは慣れた。

ユーゾともだいぶ連携がとれてきた。

また、何人かのヒッピー達は、食事ありがとうとか、これおいしいよとか、手の調子はどう?とか、温かく声をかけてくれるので、やりがいも感じる。

指は相変わらず腫れてる。
って言ってたら、カドリが今度は謎の塗り薬を持ってきた。
これまたナチュラルメディシンらしい。とりあえず塗っておいた。

そんなことより、ユーゾがオープンダイアローグとベイトソンを知っていた。それも結構詳しい。
お互い英語力は大したことないが、カタコトでも話は尽きず、コミュニケーションやアディクションについて、夜の12時過ぎまで外で話し込んだ。それでも外は明るい。
ついでに論文の要約(英語)も見せてみたらすごく興味を持ってくれた。

また、フィンランドの学校教育に興味があり、機会があれば学校を見たいと言ってみたら、もちろん可能だよ、ということだった。
まじか。楽しみだ。
ちなみに、日本の塾のことを話したら、学校の後に学校に行くとかクレイジーすぎるだろ!!って感じで爆笑された。宿題が多くて寝る時間がないときもあることに対しても、信じられない!って感じでとても驚いていた。

フィンランドに来てからまだ1週間しか経ってないけど、まさか音楽と研究領域で同じような興味関心がある人とこんなに早く出会えるとは思わなかった。
しかもこんな予想外に連れてこられた場所で。


あと、どうでもいいけど、僕が寝てる部屋というか小屋には全員で10人ぐらい居て、そのうち8人が女性だ。
シンプルなしきりが数枚あるだけなんので、ことあるごとに気まずい。
これを書いている今も、背後で色んな服の試着とかしあったりしてて(このあとダンスパーティーらしい)、こちらとしては身動きがとれない。

とか思ってたら、いきなり呼ばれてチョコレートもらった。
甘いもん食べたかったから、素直にありがたい。
ヒッピーもチョコレートは食べるんだね。

 

6日目

慣れてきて少し気が抜けて、普通に疲れてきた。
食器の後片付けと生ゴミの処理が、量が多いだけに、わりにしんどい。
雨や曇りの日はけっこう冷える。
部屋干しの洗濯物が乾かない。

あるエストニア人女性の態度が気に入らない。
自己中でうるさい。
さっき不注意で棚に頭をぶつけておいて、棚に向かって怒って棚を叩いてた。

いや、このプログラムって、そういう自分と別れるためのもんなんじゃないのか?
詳しいことは知らないけどさ。
ひたすら自己肯定してたって、世界は振り向いちゃくれない。
自己は自分で肯定するもんじゃない。
踊ったって、歌ったって、瞑想したって、肉を拒絶したって何したっていいけど、
それらの中心に自分を据えた時点でそれはもうただの勘違いでしかない。
謙虚じゃなきゃダメなんだ。
早く気が付け、この野郎。

寒くて疲れて肉食いたくて思考が擦れてきた。
もちろん、カドリをはじめ、優しいエストニア人がほとんどだ。
今日はもう寝よう。

 

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